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COLUMN#6 - 夏の " y a k a i " - 眠りの前のリトリート。



   

Prologue

HUG FOR_. が鎌倉でスタートを切ったのが2022年12月4日。早いもので1年と6カ月が過ぎました。縁もゆかりも薄い土地でのチャレンジは、鎌倉がもつ刻まれた歴史、新と旧が共存する文化、豊かな自然、季節と共に過ごす時間、魅力溢れる人々と、挙げ切れないくらい多くの恩恵を授かり、そして関わってきたすべてのアーティスト、地元や都内、全国各地から訪れる方々との展覧会の度に生まれる一期一会の出会いのおかげで、一歩一歩、一段一段、土壌を築き成長を遂げることができています。いつでもその感謝の気持ちを胸に本日もコラムを書き綴らせていただきたいと思います。


 





" y a k a i " at HUG FOR _.




皆さまは、アートギャラリーでの「夜会」をご存知でしょうか。


「今年の夏は夜会をやろうかと思うんだ」と人に話すとどなたも「・・ヤカイ・・・!」と少しドキドキしたような反応をしてくれます。



かつてヨーロッパのギャラリーでは、ギャラリーとお客様がカジュアルに交歓するために、夜間にワインなどを嗜みながらアート鑑賞をしていたり、東京の銀座界隈の老舗の画廊群でも、それに倣って時々夜会を開いては普段とは異なるギャラリーの楽しみ方をされていたそうです。(今はその文化は衰退されたのかメジャーではないよう?)


それらに実際に参加したことがないのでどのような雰囲気で行われていたのかは定かではないのですが、その言葉とイメージに情動性を感じて記憶に残っていました。


極めてふわっと頭の片隅にあったクラシカルな「夜会」のイメージと、いくつかの想いや状況が重なりこの度HUG FOR_. では、カジュアルで小さな " y a k a i " を始めます。



 " y a k a i " で

移ろう作品の変化を楽しむ


少し前に茅ヶ崎美術館で開催されていたフランシス慎吾さんの展覧会「Exploring Color and Space -色と空間を冒険する」で、絵画の顔料に含まれる粒子に光が反射し、時間や光の照射具合、角度によって見え方が変わる作品の楽しみ方がありました。

またギャラリーの営業時間を終えてから作品を眺めていると、日中と夜間の見え方のコントラストをまざまざと感じます。例えば5月にギャラリーで開催した染色家 Makoto Okuda さんの布のインスタレーション。日中はライティングをしっかり当てたのに対して、夜は照度を落とし、更に空調によって揺らいだ布の陰影が空間に、鮮明に現れ美しく揺蕩う光景が広がりました。昼夜を通して空間や作品を感じる解像度が上がったという体験。そして厳選されたワインを嗜みながら語らう贅沢な時間でした。


 " y a k a i " を通して再び昼と夜、光の陰影、自然光やライティングの加減、空間の雰囲気によって別の表情を見たり比較することができる鑑賞体験をシェアしてみたいと思います。


 

 " y a k a i " は

暑さからの解放


昨今の夏の猛暑は内も外も暑く厳しい時期です。

気持ちも体も汗がひくまでなかなか落ち着きません。

すでにあの暑さが間近に迫ってきていますね。

日中は思い切って全日休廊し、気温が下がる日没頃から夜にかけて、アートとワインと交流を楽しむカジュアルな " y a k a i " の構想を去年の夏の終わりからぼんやりと考えていました。



 " y a k a i " で迎える

リトリートな夜


これは最近感じたことですが、ギャラリーで色んな方とお話しをしていると、昼間と同じくらい夜の時間帯も眠るぎりぎりまで忙しく送っていらっしゃる方が多いのを日々感じます。


仕事、家事、育児、勉強。

気づけば深い時間。


その日々の中で、" y a k a i "という、非日常のような日常のような緩やかな場に立ち寄っていただけたら、たまの良い時間を過ごしていただけそうな気がしています。いつもよりも少しだけ照明を落とし、現(うつつ)と夢の間のような淡さが、気持ちと行動のゆとりに繋がる理想郷のような。

眠る前のリトリートになる時間と空間をイメージしています。



そんな " y a k a i " は 8月の毎週金、土、日曜日 16:00-22:00に開催します。


展示アーティストに、江の島を拠点にしている彫刻家 石川直也さん。



Photo by Ujin Matsuo



そして小さな部屋では、ガラス作家の松村淳さんの作品がご覧いただけます。




ナチュラルワインやクラフトビール、蒸留酒のテイスティングをご用意したり

無音で過ごしているいつものギャラリーも、この時だけは展示や夜に合う音楽を流しても良いかもしれません。


作品を前に静かに日々のこと語らう夜も新しい。


ひと夏の夜を味わい感じる時間を、自由な形でご一緒に過ごせたらと思います。


決め切れていないことが多い " y a k a i " ですので詳しい内容はまた改めて。



鎌倉の夜は早い時間から静まります。


夜に車が減り自転車で心地よい種類の風を感じて走る時間は至福です。


海の家で潮風と波音を感じる時間も落ち着きます。


昼間は混雑している小町通りや鶴岡八幡宮の段葛の参道をゆっくり歩くのもいいかもしれません。



間もなく始まるそれぞれの夏を、豊かにお過ごしください。

8月の夜にお会いしましょう。






※土曜 16:00-22:00は2時間単位での予約制となります。 >ご予約フォーム

※金曜、日曜 16:00-22:00 はどなた様もご予約なしでご来場いただけます



 

当コラムは月に1-2回程度、ギャラリーに関連する活動を軸に執筆しています。お気楽にお読みいただけますと幸いです。

文:HUG FOR_. Eriko.O


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